映画キック・アスは主人公キックアスの存在感が薄いのとは裏腹に内容はとても濃い映画だった。小気味よいテンポのスーパーヒーロー映画。脚本・演出・編集がほぼ完璧な出来なので、2時間弱の長い映画なのに飽きる事はない。

ヒットガール クロエ・グレース・モレッツ

途中から登場するスーパーヒーローのビッグダディー(ニコラス・ケイジ)とヒットガール(写真)、物語はいつの間にかキックアスから彼ら中心に。こんな展開の映画見たことない。そしてヒットガール扮するクロエ・グレース・モレッツがとにかく凄い。「マルモのおきて」の芦田愛菜ちゃんに良く似ていて、見た目は子供なのに演技は全く子供っぽくない。


映画Kick-assはクライムアクション、ヒューマンドラマ、スーパーヒーロー、ラブコメディーの要素がちりばめられた原作がコミックの娯楽映画。娯楽映画なのに劇中で人が何人も殺される。しかもその描写がリアルでグロテスク。考えてみればスーパーヒーローも元は人間、敵との戦いは肉弾戦になるのだから生々しくて当然なのかもしれない。

キック・アス (ShoPro Books)
キック・アス (ShoPro Books)


本編冒頭の高層ビルからのダイブは主人公キックアスの回顧シーンの様に描かれているがあれは彼ではない。なぜなら、彼はこの物語の中でヒーロー体験をして成長しているから。



あのダイブが表そうとしていることは、たぶん
『誰もスーパーヒーローを目指さないのはヒーローになると一端は拍手喝采を受ける。けれど最後はやっぱりあっけなく死ぬんだ…芸能界、スポーツ界、大統領選挙、何でもそう、現実はこんな感じ』っていうことを言いたいのじゃないかなあ。