米国ウェイクフォレスト大学(Wake Forest University)のCorey Hewitt Ph.D. が、多層カーボンナノチューブ(MWNT)とポリマー(PDVF)のコンポジットフィルムを積層した材料で、フェルト繊維に似たフレキシブル熱電素子を開発中。
『パワーフェルト(Power Felt)』と名付けられた布の様な、この熱電素子を使って体温と周辺環境との温度差で発電しようという試み。衣服や、カーシート、iPhoneのケースなどへの適用を目指しているという。
熱電性能指数ZTは、今のところ0.02で、30層積層して熱起電力がわずか230μV/K程度と発電デバイスとしてはまだまだ、性能向上が課題。
ZT=0.02の性能指数の熱電材料で、例えば体温36度、外気温26度という温度差10℃の環境では、発電効率は0.016%程度。人間の発熱量を100Wとすると、体温を全て回収して発電したとしても、発電量は16mWにしかならない。しかも、熱を奪われるので下手をすると風邪をひく可能性がある。
これ、材料としては面白いけれど、すぐ実用的なものになるわけではなさそうだ。
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